ロートアイアンを作る

ロートアイアンをご存知でしょうか?

wroughtiron(ロートアイアン)wroughtはworkの過去形でロートアイアンは加工された鉄製品の事をいいます。

 歴史は古く紀元前3500年頃のエジプトにルーツがあるといわれています。

その後ヨーロッパへ伝わり様々なデザインになり伝統を受け継ぎ現在まで続いているようです。

特にロートアイアンは高級感や重厚感それとは相反する繊細さや優美さ装飾性もある魅力あふれる素材です

素材と技術が交わる時とても素敵なロートアイアンのワールドが出来上がります。

そんな素敵なワールドをみなさまのもとにお届け出来たらとハンマーを握っています。

 

 blacksmith   (ブラックスミス)ってなんですか?よくご質問頂きますblackは鉄の色(黒皮)smithは職人さんの事をいいます。鉄を専門に扱う鍛冶屋さんや馬の蹄鉄を作る装蹄師はblacksmithになります僭越ながら自分の名刺にはblacksmith&signproと書かせて頂いております。「blacksmithあぁ鍛冶屋さんね」そういって頂ける日が来るのを信じて。

 

皆さんの鉄のイメージってどんなものですか?

鉄=固く・冷たい・強靭ではないでしょうか?

自分も鍛冶の世界を知るまではそのように考えておりました。

そんな鉄ですが火造りにて愛情を注いであげると不思議な魅力を放ち出します。

 

火造り

工房にある自家製のコークス炉

で鉄を1300度まで加熱出来ます。

柔らかくなったところで曲げたり伸ばしたり自由自在。

 


柔らかくなった鉄をアンビルという(金床)の上でハンマーでたたいて成型します。写真はお気に入りの2キロのハンマー

鍛冶屋そのものです!

仕上げ

鉄の弱点=酸化すること

鉄原子は酸素原子が大好きなのでしょうか直ぐに水素と反応して酸化鉄になろうとします。(皆さんおなじみの赤錆びですね)ゆっくりと酸化が進むと黒錆いわゆる黒皮になり(鉄が黒いのはこの色です)少し丈夫な酸化被膜になります。

こちらは酸化している被膜なので被膜の部分は錆ませんステンレス鋼やアルミ鋼は不動態被膜という酸化被膜で非常に錆びにくいです。

鉄の酸化被膜はそれに比べてとても不安定な被膜です。被膜のすきまからやっぱり赤錆になろうとします。

そして最後は大地に還っていくのです。

 

酸素に触れさせないのが長持ちの秘訣です!

塗装やメッキでコーティング

室内用ですが蜜蝋仕上げというのもあります。これは蜜蜂の巣からとれる蝋でゆっくり錆びて行きます。

経年劣化で錆びを楽しむというのも鉄の楽しみ方の一つですね。